カウンセラーの適正

人が好きであること

 

カウンセラーは、言うまでもなく人を相手にする仕事です。

 

ですから、「人が好き」な人でなければ務まりません。

 

「人が好き」であることは、
カウンセラーの適正として最も基本となることです。

 

人を尊敬する気持ちを持っていること

 

「人を尊敬する気持ち」を持っていることも重要です。

 

人を尊敬する気持ちは、
「ヒトは誰もが、自分の人生において自分が主人公である。」
という考えがもとになります。

 

クライエントもカウンセラーも、
それぞれが自分の人生の中では、みんなが主人公であって、
それぞれの生き方や考え方を持っているということを
しっかり理解していなければなりません。

 

ですが、人を尊敬する気持ちが持てなければ、
カウンセラーとして仕事をした際、
クライエントを自分の思い通りにしようとしてしまったり、
自分の考えを押し付けてしまったりしてしまうかもしれません。

 

また、自分の生き方や考え方、価値観の違うクライエントに対して、
違和感を抱き、真剣に相手のことを考え、
相手の気持ちを理解してあげようという気持ちが揺らいでしまうこともあるでしょう。

 

気長で寛大であること

 

寛大(かんだい)とは、思いやりがあり、むやみに人を責めたりせず、
度量が大きいことをいいます。

 

カウンセラーには、「気長さ」と、この「寛大さ」が必要です。

 

カウンセリングは、とても長い時間が必要な作業になります。

 

時間をかけて、じっくり相手の話を傾聴し、
決して焦らず、急がず解決先を見つけ出していくことが必要です。

 

ですから、気が短い人は、カウンセラーとして務まりません。

 

気短な人では、じっくり相手の話を聴いてあげることができないでしょうし、
「早く解決してしまいましょう」と急ぐあまり、
クライエントにとっての最善な方法を見つけていくことができません。

 

また、何ヶ月も何年も、おなじ人にカウンセリングを続けているのに、
クライエントの効果が全く現れないという場合もあります。

 

それでも、カウンセラーは、じっくり話を聴き、
焦らず、クライエントの回復を待たなければいけません。

 

ヒトは、失敗や裏切りは避けることができません。

 

クライエントも同じで、
カウンセリングを続けている中で、裏切られたり、
助言に従ってくれなかったり、
カウンセラーを独占したがったり、
自殺未遂を起こすなど、クライエントのいろいろな行動に遭遇することがあります。

 

そのようなときにも、寛大に全てを受け入れ、
クライエントと一緒に気長に、その人の最善の方法を見つけ出していくことが必要です。

 

倫理観がある

 

人としての倫理観に長けていることも、
カウンセラーとしての適正のひとつです。

 

カウンセリングは、クライエントのプライバシーに触れることも多いです。

 

プライベートな部分まで踏み込まなければ、
本当の意味での助言ができないことが少なくありません。

 

医師や弁護士に、患者さんや依頼人の秘密を
絶対にもらさないという守秘義務があるように、
カウンセラーにも同じようにクライエントのプライバシーを
もらさないようにすることが必要です。

 

感受性に富んでいる

 

一般的に人は、他人に対して
自分の胸のうちをさらけ出すことができません。

 

特に、日本人にはそのような傾向があります。

 

悩みを抱えている人は、その悩みの原因によっては、
ある程度までは打ち明けることができますが、
100%本心をさらけ出すのには勇気が必要です。

 

そのような心理の中、カウンセラーはじっくりクライエントの話を聴きながら、
悩みの原因がどこにあるのか、
本当は何について悩んでいるのかを
敏感に察知することが必要です。

 

そのためには、感受性が必要です。

 

感受性の鈍い人は、クライエントの心の底にあるものを
察知することが難しいといえるでしょう。

 

責任感がある

 

カウンセリングを一度引き受けたら、
途中で放棄することはしてはいけないことです。

 

カウンセラーには、最後までクライエントに付き合い、
クライエントをサポートする責任感が必要です。

 

また、クライエントの悩みに対し、真剣に、責任を持って相談にあたり、
助言を行うという意味での責任感も必要です。

 

向上心が旺盛である

 

カウンセリングは、クライエントが悩んでいることや
抱えている問題について、共に考え、その解決策を見つけ、
その人の悩みを少しでもやわらげようとするものです。

 

しかし、人はみなそれぞれ個性があります。

 

いろいろな相手に対し、いろいろな悩みを解決していくことが必要ですから、
誰に対してもおなじ方法カウンセリングをし、
おなじ段階を踏んで、おなじ解決策を・・・というわけにはいきません。

 

そして、カウンセラーのレベルには、
「ここまでできれば最高ライン」というものもありません。

 

人の心は奥深く、どんなにキャリアを積んでも、
ベテランのカウンセラーといわれるようになっても、
カウンセリングの仕事を続ける限りは、
常に「勉強」です。

 

ですから、カウンセラーには向上心が必要です。

 

クライエントに対してよいカウンセリングを行うのであれば、
向上心が必要です。

 

現状の知識や経験に固執してしまうと、
クライエントの症状を悪化させてしまうこともあります。

 

常に、「このようなカウンセリングでよいのか?」、
「もっと、このクライエントにとって良い方法は何かないか?」などと
探りながらクライアントに接することが必要です。

 

そして、いつもよりベストなカウンセリングを目指すために、
知識を増やしたり、さまざまな研修会等に参加することも必要です。

 

クライエントの悩みは、人それぞれ異なりますし、
おなじ悩みであっても、その人それぞれに悩みの度合い、
解決の仕方などは異なってきます。

 

この悩みにはこの技法!というようなものではありませんから、
常に勉強することが必要で、
常に向上心を持ってことに当たることが必要です。

 

また、クライエントの悩みや問題を
しっかり把握することができるように
社会一般の情勢、職種や職業に関する知識、
現代人の意識に関すること、社会問題などについても
幅広く知識を得ておくことも大切です。

 

自分のことが好き

 

「自分のことが好き」というのも、カウンセラーにとって必須の資質です。

 

カウンセリングは、相手の身になって行うことが必要です。

 

そのためには、心からクライエントを受け入れなければなりません。

 

他人をありのままに受け入れるためには、
何よりもまず、カウンセラー自身が「自分のことを好き」でいること、
そして、「自分の個性や価値観を大事に思っていること」が必要です。

 

カウンセラーの適正で、「人が好きである」ということは、
基本中の基本です。

 

しかし、自分のことが好きではない人が、
他人のことを好きになれるはずがありません。

 

自分の個性や価値観を大事に思うことができ、
大切にしたいと思うからこそ、
他人の個性や価値観、生き方を尊重することができ、
認めることができるのです。

 

ですから、カウンセラーを目指すのであれば、
「自分のことが好き」ということがとても大切な適正となるのです。

 

カウンセラーは偉いわけではない

 

カウンセラーは、クライエントよりも上の立場でもありませんし、
偉い人でもありません。

 

クライエントとおなじラインにたって、
クライエントと一緒に問題の原因を探りながら、
解決策を見つけていくという仕事です。

 

ですから、人が好きという気持ちを持ち、
その人それぞれの行き方や考え方を
尊重してあげることができる人でなければ
カウンセラーとして仕事をしていくのは難しいでしょう。

 

人を相手にするカウンセリングという仕事を行うカウンセラーは、
時にはヒトの嫌な面と対峙しなければならないこともあります。

 

ですが、自分の考え方や価値観を押し付けるのではなく、
そのヒトの立場を理解し、おなじラインに立って、
気長で寛大な姿勢でカウンセリングをしていくことが必要です。